大きな存在
幼稚園の時の担任の先生はとても優しい先生でした。よく覚えているのは、先生がパーマをかけてきた日の事です。この奈良でもあの大和高田の保育園でと昨日まで見慣れていたボブスタイルではなくおしゃれパーマをかけた先生を目の当たりにし、体がガチっと固まりました。5歳の私はいつもの先生ではないように思えて遠くからじっと見ていました。先生は子どもに囲まれ「前の髪のほうがいいー!」「戻してー」と言われて困っている様子。一週間もすれば見慣れてしまうものですが、子どもの容赦ない言葉は続きます。そこから奈良で評判の保育園を口コミするとその度に先生は苦笑いしていましたが本当はどう思っていたのかなと今では思います。あの時、何となくその状況を察した私は教室で帰りのお歌を歌った後にススっと先生のそばへ行き、耳元で「その髪かわいい」とひとこと言ってビュンっと走って去りました。先生は一瞬驚いたような顔をしていましたが、後ろから「〇〇ちゃーん、ありがとうー!」という声が聞こえ、心がじわっと嬉しくなったのです。ボブヘアの先生もパーマをかけた先生も変わらず優しいままだったので子どもながらに安心して言ったのだと思います。幼稚園を卒業してからも先生に会いに行き、話をすることがありました。私にとって先生は今でも大きな存在です。