ヒゲの医療脱毛を始めようと決めたとき、多くの人が気になるのが「一体、何回通えば、どれくらいの期間で終わるのか」という点でしょう。結論として、ヒゲ脱毛は一度や二度の施術で完了するものではなく、根気強く通い続ける必要がある長期的なプロジェクトです。その理由は、毛の生え変わるサイクルである毛周期にあります。毛には、成長して皮膚表面に出ている「成長期」、成長が止まって抜け落ちる準備に入る「退行期」、そして活動を休止している「休止期」という三つの段階があります。医療レーザーが効果を発揮するのは、メラニン色素が濃く、毛根が活発に活動している成長期の毛だけです。皮膚表面に見えている毛は全体の約二十パーセント程度と言われており、残りの八十パーセントは退行期や休止期の状態で皮膚の下に眠っています。そのため、一度の施術で全ての毛にアプローチすることはできず、休止期だった毛が成長期に入るのを待って、繰り返しレーザーを照射する必要があるのです。一般的に、ヒゲの毛周期に合わせて一ヶ月から二ヶ月に一度のペースで施術が行われます。効果の現れ方には個人差がありますが、多くの人が三回から五回程度の施術で、ヒゲの生えるスピードが遅くなったり、全体的に薄くなったりといった変化を実感し始めます。自己処理が格段に楽になるレベル、例えばヒゲ剃りの頻度が週に一、二回程度になるまでには、六回から十回の施術が必要となることが多いです。さらに、青ヒゲも解消され、ツルツルの状態を目指すのであれば、十回以上の施術回数を見込んでおくとよいでしょう。つまり、ヒゲ脱毛が完了するまでの総期間は、目標とする状態によって異なりますが、およそ一年から二年、場合によってはそれ以上かかることも珍しくありません。すぐに結果が出ないからといって焦る必要はありません。毛周期に合わせて着実に施術を重ねていくことが、理想の肌への唯一の道です。カウンセリングの際に、自分のヒゲの濃さや希望するゴールを伝え、おおよその回数と期間の目安を確認しておくことが、計画的に脱毛を進める上で大切です。